AI美空ひばりさんがNHK紅白に出場し新曲「あれから」を熱唱し「寅さん」の新作映画が上映される時代に

AI美空ひばりさんが2019年を締めくくる紅白歌合戦に出場しました。

30年前に亡くなった彼女がもう一度ステージに立っていたのか?

多くの議論を巻き起こす結果となりました。

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AI美空ひばりさんの新曲「あれから」公式ミュージックビデオ

AI美空ひばりさんのNHK紅白歌合戦出場

「AI美空ひばり」をヒトとして呼んでいいのか?

深く掘り下げていけばそういった疑問も湧き上がってくるのですが、

先陣切って日本社会の中で生きているソフトバンクの人型ロボット「Pepper」も「ペッパーくん」として呼ばれているのだから「AI美空ひばりさん」と呼ばせていただこうと思います。

制作期間1年をかけNHKとボーカロイド技術(コンピューターで歌を歌わせる技術)で名高いヤマハが開発したのが「AI美空ひばりさん」です。

七色の歌声とも言われる「美空ひばり」の歌声をAIで再現できるのか?という実験から始まりました。

彼女の歌声は日を追うごとに密度を増し2019年NHK紅白歌合戦に出場を果たします。

AI美空ひばりさんの新曲「あれから」評判・評価 その歌声に何を思う?

CG技術で暗闇から光の中に現れたAI美空ひばりさんはやはり、不気味の谷(CGで人間に似せれば似せるほど不気味になってしまう現象)を受けてしまいアンドロイド感がありました。

やはり、AI美空ひばりは機械なのか・・・・そう思った時、彼女は歌を歌い始めました。

語りかけてくるような歌声で、そして自分がこの世界から死して再び今目の前で歌っているのと言わんばかりに秋元康さんが作詞した歌詞が入ってきました。

会場で等身大で見た観客はいったいどう思ったのでしょうか?

驚くべきは、曲中盤の語りです。

「お久しぶりです」と語り出したそのセリフは私たちに毎日を精一杯生きている事が幸福である事を思い出させるほどです。

TV映像を通してですがそこには多くの「意思」(思い)を感じ取れました。

生放送だった紅白歌合戦が、歌い終わった後の余韻(よいん)を保てなかったのが非常に残念に感じるほどでした。

「年末に幸せな夢を見た」そんな感じではなかったでしょうか。

死生観すら超越する技術革新の中で

抵抗感を抱く方もいたようですが、私は感動しました。

映像はともかく歌だけ聞いたら、本当に美空ひばりさんが蘇ってきて歌っているかのようだったからです。

子どもを寝かしつけるために録音された読み聞かせテープからAIに学習させた語りからは、「やさしさ」さえ感じ取れました。

「死」というものを冒涜している、亡くなられた美空ひばりさんの意思の問題など、この技術を規制するべきという意見がネットの世界では目立っている気がします。

料理に使う包丁だって、時に人を傷つける様に使う人次第ではないでしょうか?

美空ひばりの遺伝子をディープラーニングという形ではありますが受け継いでいる「AI美空ひばりさん」は、亡くなって30年後に生まれた美空ひばりの子どもに近い存在なのかもしれません。

映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』の予告映像

映画「男はつらいよ お帰り寅さん」の公式サイト

 

AI美空ひばりさんや「寅さん」の新作映画の中にある正体 私たちの願いや思いはどこまで許されるのだろう?

秋元康さんがAI美空ひばり制作の中でこんな事を言っていました。

「多くの思いや願いがAIという技術の力をかりて形になった」と

AIで美空ひばりさんを蘇らせたとは言っていません。

AI美空ひばりさんや「寅さん」の新作映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』の中にあるものは、同じなのかもしれません。

会いたいと思う、思いや願いが現代のテクノロジーで新しい作品に仕上がっているという印象です。

ただ、少しだけ「ずるいな」と思ってしまうのは私だけでしょうか?

もうこの世界にいない事が、大前提で書き上げられた歌詞、寅さんはもう帰ってこない前提のシナリオ、

生きている人間が、これを超える事は、不可能に近いということです。

(この文章が、AIやテクノロジーに負けを認めてしまっていますね)

 

NHK紅白歌合戦は、アーティストなら誰でも出たいステージの一つです。

登場できる枠が限られている中、AI美空ひばりさんの枠には、本来別の新人アーティストが入るはずだったのかもしれません。

松竹映画のお正月映画として莫大な制作費を投じ寅さんが制作される裏ではボツになったシナリオが光当たる事なく眠っています。

天国の美空ひばりさんがこの事で心痛めていない事を願います。

 

私たちは、いつまでも亡くなった美空ひばりさんや寅さんに支えてもらいつづけていいのでしょうか?

次の世代の新たな美空ひばりや寅さんをもっと育んで行かなければならないと思います。

 

亡くなった人にもう一度会いたいと思うことは悪いことではありません。

ただこの先訪れる自分の死後の楽しみに残しておいても良いのではないでしょうか。

AI美空ひばりさんドキュメンタリー再放送予定

今後の再放送予定は無いようです。

AI美空ひばりさんとは、機会があれば実際にお会いしてみたいものですね。