海洋散骨の完全ガイド|費用相場や流れ・守るべきマナーを徹底解説

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樹木葬に続き日本で行われている自然葬の中で人気が高いのが「海洋散骨」です。

東京都知事も務めた石原慎太郎さんなど海を愛する芸能人も複数の方が選ばれています。

形あるお墓から、広大な海という「円環」の中へ。

海洋散骨は、四方を海に囲まれた日本において、最も純粋に自然へ還ることができる弔いの形です。近年人気の「樹木葬」も選択肢の一つですが、実は最終的に合祀されるケースも多く、「本当に自然に還れるのか」と疑問を持つ方も少なくありません。

当サイトでは、独自の全国調査データに基づき、海洋散骨の正しいルールや費用、そして後悔しないための準備についてまとめました。

あなたや大切な人が納得できる「最期の場所」を見つけるためのガイドとしてご活用ください。

海洋散骨プランをお近くのエリアから探す

まずは、お住まいの地域の『適正価格』を知ることから始めてみませんか?

海洋散骨とは?基礎知識とルール

海洋散骨とは、文字通り、海にご遺骨を撒き大自然の円環の中に還る弔いの形です。

海岸から数キロ離れた場所にて、2mm以下に粉骨されたご遺骨を献花、献酒などとともに撒きます。

海洋散骨に伴う日本の法律にも触れ、海洋散骨を行う場合のルールを見ていきましょう。

海洋散骨に関わる法律とガイドライン

日本の法律では散骨を直接規制する条文はありませんが、厚生労働省による令和2年度厚生労働科学特別研究事業「墓地埋葬をめぐる現状と課題の調査研究」において、散骨に関する調査研究が実施され、同調査研究において、「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」が取りまとめられました。

墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)や地方公共団体の条例、ガイドライン等を遵守するなどの​法令等の遵守、海岸から一定の距離以上離れた海域で行う、焼骨(ご遺骨)は、その形状を視認できないよう粉状に砕く、地域住民、周辺の土地所有者、漁業者等の関係者の利益、宗教感情等を害することのないよう、十分に配慮する、散骨を行うに当たっては、プラスチック、ビニール等を原材料とする、副葬品等を投下するなど、自然環境に悪影響を及ぼすような行為は行わない、安全確保を的確に行うなどがあげられています。

地方の条例やガイドラインで、禁止事項や方法が細かく定められている地域もあるため確認が必要です。

「粉骨」の徹底(必須)

遺骨のまま海へ撒くことは法律で禁じられています。刑法第190条(遺骨遺棄罪)該当する可能性があるためです。

これを回避するため、遺骨を「骨と認識できない粉状(一般的に2mm以下)」にすることが「節度ある葬送」として業界基準で定めています。

ご遺骨を粉々にしてしまうことに抵抗がある方もみえると思いますが、自然環境により溶け込みやすくなり自然に還ることがより早くなるともいわれています。

散骨場所の制限

散骨に関するガイドラインでは、海洋の場合、海岸から一定の距離以上離れた海域としています。

漁業権がある場所や、海水浴場の近くを避け、通常は船で数キロ沖合まで出てから行います。

環境への配慮

海洋汚染を防ぐため、原則自然に還るもののみしか撒くことはできません。また、火葬後のご遺骨から有害な六価クロムが検出される問題に対応するため、民間の散骨業者などは、「六価クロム還元処理」を提供しています。特殊な薬剤を用いて人体に有害な六価クロムを無害な三価クロムへと変換し、安心で環境にやさしい海洋散骨を可能にします。

海洋散骨費用のプラン別相場

海洋散骨には、大きく分けて3つの海洋散骨プランがあります。乗船する場合に船の定員があるため、弔いに参加する人の人数で選んでいたくことが良いと思います。

散骨プラン相場目安内容
① 代理(委託)散骨5万〜8万円乗船せず、業者が預かって代行して散骨します。散骨証明書や写真が後日届く形式が一般的です。
② 合同(乗合)散骨15万〜20万円複数のご遺族グループと1つの船に乗り合わせて散骨を行います。日程が決まっており、自由度は低めですが、自分たちの手で散骨できます。
③ 貸切(チャーター)散骨30万〜50万円船(クルーザー等)を1隻貸し切ります。日程や出航場所を自由に決められ、周囲を気にせずお別れができます。乗船人数や船のグレードで価格が上がります。

※全国対応の主要海洋散骨業者10社のプランからの参考価格

なぜ地域によって費用に差が出るの?


全国の海洋散骨プランの価格調査の結果、同じ内容のプランでも地域によって価格差があることが分かりました。

これには主に3つの理由があります。

  1. 出航場所からの距離: 漁場や観光地を避けるため、沖合まで長く走る必要がある地域は燃料費が高くなります。
  2. 船の規模と維持費: 乗務定員が多い場合や海流の強いエリアでは大型船が必要になり、その分費用が反映されます。
  3. 付帯サービスの充実度: 粉骨費用、散骨証明書の発行などが「コミコミ」か「別料金」かによっても総額が変わります。献花や献酒などが含まれるのか、行われるのかでも費用が変わってきます。(※粉骨は必ず行わなければならないため、料金が含まれているのか、含まれていない場合は、総額でいくらなのかを確認してください。)

海洋散骨 当日までの流れ・主な注意点

海洋散骨プラン別の当日までの流れは、主にこの様になります。

海洋散骨代理(委託)プラン「乗船しないプラン」

海洋散骨代理(委託)プラン「乗船しないプラン」
  • ラベル
    電話、申し込みフォームで申し込み

    電話もしくは申し込みフォームにて申し込みを行います。

  • ラベル
    料金の支払い、振り込み

    期日以内に散骨プランの料金を、指定の方法で支払いを行います。

    (支払いを行う前までに、プランの詳細やキャンセル時の対応などを事前に確認してください)

  • ラベル
    ご遺骨、各種証明書、申込書の発送

    ご遺骨を梱包して、送骨します。このとき同時に、ご遺骨の証明書類(火・埋葬許可証、死亡届出書、除籍謄本のいずれかのコピー)のコピーとお申し込み者本人の証明書(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード、住民票、戸籍謄本のいずれかのコピー)の同封が必要になります。

  • ラベル
    ご遺骨が到着後、洗浄乾燥、粉骨処理

    ご遺骨が散骨業者へ到着すると、無事に到着した連絡があります。

    その後、ご遺骨を洗浄(六価クロムなどの無害化処理)、乾燥、粉骨(ご遺骨を2mm以下のパウダー化)を行います。

  • ラベル
    洋上にて代理(委託)散骨を専属スタッフが実施

    散骨業者スタッフによる海洋散骨の実施

    献花や献酒を行い、海洋散骨を行います。

    当日の波の高さや天候で実施日がずれ込む場合があります。

  • ラベル
    散骨証明書の発行、送付

    海洋散骨した場所の日時や緯度、経度を表示した「散骨証明書」が発行されます。

合同(乗合)散骨プラン、貸切(チャーター)散骨「乗船プラン」

合同(乗合)散骨プラン、貸切(チャーター)散骨「乗船プラン」
  • ラベル
    電話、申し込みフォームで申し込み

    電話もしくは申し込みフォームにて申し込みを行います。

  • ラベル
    料金の支払い、振り込み

    期日以内に散骨プランの料金を、指定の方法で支払いを行います。

    (支払いを行う前までに、プランの詳細やキャンセル時の対応などを事前に確認してください)

  • ラベル
    ご遺骨、各種証明書、申込書の発送

    ご遺骨を梱包して、送骨します。このとき同時に、ご遺骨の証明書類(火・埋葬許可証、死亡届出書、除籍謄本のいずれかのコピー)のコピーとお申し込み者本人の証明書(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード、住民票、戸籍謄本のいずれかのコピー)の同封が必要になります。

  • ラベル
    ご遺骨が到着後、洗浄乾燥、粉骨処理

    ご遺骨が散骨業者へ到着すると、無事に到着した連絡があります。

    その後、ご遺骨を洗浄(六価クロムなどの無害化処理)、乾燥、粉骨(ご遺骨を2mm以下のパウダー化)を行います。

  • ラベル
    乗船、海洋散骨実施

    海洋散骨の実施日に指定集合場所に集合します。

    合同散骨プランの場合、複数のグループで乗船することになります。

    海の水しぶきがかかる場合や季節によっては、海上が想定より寒い場合もあります。

    服装は、散骨業者から指定があると思いますので指定された服装で集合してください。

    よい止めは、乗船前に服用しましょう。

    当日の波の高さや天候で実施できない場合もあります。

  • ラベル
    散骨証明書の発行、送付

    海洋散骨した場所の日時や緯度、経度を表示した「散骨証明書」が発行されます。

海洋散骨のメリット・デメリット

 「自然に還りたい」という願いを叶える海洋散骨ですが、良い面だけでなく、特有の注意点もあります。後悔のない選択をするために、メリットとデメリットを整理しました。

海洋散骨のメリット

  1. 真の意味で「自然の循環」に還れる
    樹木葬の多くが最終的に合葬(他人の遺骨と混ざる)されるのに対し、海洋散骨は遮るものがない海という大自然の一部になります。物理的な制約なく「命の円環」へ還る、最も純粋な形と言えます。
  2. 継承者や「墓じまい」の心配がいらない
    お墓を管理する子孫への負担が一切ありません。維持費や管理料もかからないため、次世代に経済的・心理的な負担を残したくない方に選ばれています。
  3. 宗教や形式に縛られない自由な弔い
    特定の宗教儀礼に縛られず、故人の好きだった音楽を流したり、思い出の海を選んだりと、自由度の高いお別れが可能です。

海洋散骨のデメリットと注意点

  1. 物理的な「お参りの場所」がなくなる
    お墓という特定の場所がないため、手を合わせる対象がなくなって寂しさを感じる方もいます。
  2. 遺骨を元に戻すことができない
    一度海へ撒いた遺骨は、二度と回収することができません。後に「やはりお墓を建てたい」と思っても不可能なため、家族全員が納得した上で行う必要があります。
  3. 天候の影響を受けやすい
    船を出すため、当日の波の高さや強風によって延期になるリスクがあります。特に遠方から親族が集まる場合は、予備日の設定など柔軟な対応が求められます。

ご遺骨の一部を手元に残し、お家でコンパクトに故人を弔うことができる、「手元供養」や、散骨した海域を再び訪れる「メモリアルクルーズ」を検討することも一つの方法です。

知っておきたい海洋散骨のマナーと準備

海洋散骨は、自然の海をみんなで使うからこそのルールがあります。

事前に、散骨を行う事業者に当日の服装や持ち物を確認しておくと安心です。

服装は「平服(私服)」が基本 喪服がNGな理由

海洋散骨では、喪服はNGです。漁港やマリーナで他の方(観光客や漁師さん)を驚かせないための配慮などもいわれていますが、実際は、「自然の海で行うから」という理由もあります。

船の規模にもよりますが、海の水しぶきがかかる場合もあります。急に風が出て寒くなる場合も想定されます。動きやすく脱ぎ着しやすい服装(体温調節がしやすい様に)や滑りにくい靴(運動靴)が推奨されます。

ゴミは持ち帰る!献花・献酒のルール。海を汚さないための工夫

海を汚さないご協力をお願いします。花びらだけを撒き、自然に帰らない包みなどは持ち帰るなどを徹底して美しい自然を守りましょう。

【意外と大切】当日の持ち物と「船酔い」対策

停泊中の船は酔います。また手元を見てご遺骨を海に撒くときや、献花する時などは船酔いが悪化する場合があります。乗り物酔いに強い方も弱い方も、酔い止めを事前に服用しておくことをおすすめします。

また天候にもよりますが、日焼け止め、サングラス、ハンドタオル、ペットボトルのお飲み物などを用意しておくと安心です。

後悔しない「海洋散骨業者」の見極め方

後悔しない海洋散骨業者を見極めることはとても大切です。

プランの内容や料金内訳の明示されている

船のチャーター料、粉骨代、献花代など、当日の追加費用が発生しないか見積もりを確認しましょう。

散骨ガイドラインを遵守している

海域、粉骨の詳細、散骨証明書の発行など厚生労働省によるガイドラインで定められています。その内容に則しているかも判断材料です。

粉骨のプロセスと衛生管理がなされている

ペットも可能な散骨業者の場合、機材が人と分けられているのか、ご遺骨に他人のものと混ざる危険性はないのか、清掃はなされているのかを確認しましょう。


さらに詳しい「トラブルを避けるための10のチェックリスト」や、国民生活センターの相談事例などは、こちらの[散骨業者の選び方]で詳しくご紹介しています。

海洋散骨の「その後」はどうなる?手元供養という方法


海洋散骨を行う場合、考えなければならいことの一つに「祈りの場所はあるのか」という問題があります。

海を眺める場所から、お祈りしても良いですし、海洋散骨業者によっては、散骨ポイントに後日お祈りに行くことのできる「メモリアルクルーズ」のプランを有している業者もあります。

中でも私たちが、強くおすすめしているのは、「手元供養」という方法です。

ご遺骨を粉骨した際に、一部を分骨して手元に残します。小型の骨壷やペンダントに入れて大切に保管し、ご自宅にてお祈りするという方法です。

「お墓がないと、後で寂しくなるかも」というご不安にも対応できると思います。

また、戒名や法要などを希望する場合、後日行うこともできるので安心です。

海洋散骨に関するよくある質問(Q&A)

海洋散骨でよくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

Q
雨が降ったら中止になりますか?
A

天候によって中止や日を改めることはあります。陸ではたいした雨や風でない場合でも、沖合は荒れているということはよくあります。船長の判断で当日の中止は、しっかりとした業者の証かもしれません。

Q
ペットの遺骨も一緒に撒けますか?
A

ご家族であるワンちゃんやネコちゃんも一緒に散骨できるプランもあります。海洋散骨事業者自身でもネコちゃんを飼われている所など、各業者様々ありますので探してみることをおすすめします。

Q
自分たちで勝手に海に散骨することは違法ですか?
A

違法ではありません。しかし、行い方を間違えると(刑法190条)死体等遺棄罪や墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)、地方公共団体の条例、ガイドライン等、に触れる場合もあります。またご遺骨粉骨するには、専用機材や精神的な苦痛も伴うためおすすめできません。

全国の海洋散骨プランを探す(都道府県別)

日本全国47都道府県周辺の海で海洋散骨が行える散骨業者を一覧でご案内しています。

霊園や運営事業者によってプランの内容や料金には、かなりの差があります。

様々なプランを比較していただき故人様の想いに寄り添ったプランをお選びいただければと思います。

  • 海洋散骨事業者の事務所住所を元に各都道府県ごとにプラン一覧でまとめています。
  • 最新の詳細情報や料金などは、リンク先のプラン運営事業者ページにて直接ご確認ください。
azi
azi

終活をテーマに10年以上取材や執筆を続けているライターです。
葬儀・葬祭の最新事情やマナー、メンタルヘルス情報など幅広く取材し執筆しています。
終活の専門家資格である「終活ガイド資格3級」を取得。

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