黒澤映画『羅生門』の大女優、京マチ子さん亡くなる
黒澤監督の映画『羅生門』などに出演した女優、京マチ子(きょうまちこ)本名、矢野元子(やのもとこ)さんが5月12日心不全のため東京都内の病院で亡くなった。
95歳だった。親しい友人らに看取られて眠るように天国へ旅立たれたという。
京マチ子さんは、1924年(大正13年)に大阪で生まれ大阪松竹少女歌劇団(現在のOSK日本歌劇団)に入団、娘役として活躍。
1949年(昭和24年)に映画会社、大映(大日本映画製作株式会社)に引き抜かれ銀幕デビューを果たした。
生涯結婚することはなく、親友で元テレビプロデューサー、演出家の石井ふく子さん(92)に後のことを託していたという。
14日に桐ヶ谷斎場で親しい友人のみで葬儀が行われた。生前自ら手配したハワイのお墓で永遠の眠りにつくことになっている。
日本初の国際派女優へ
黒澤明監督の映画『羅生門』1950年(昭和25年)では主演女優を演じ日本映画初となるヴェネツィア国際映画祭の最高賞、金獅子賞を受賞した。
1953年(昭和28年)日本初のカラー映画『地獄門』でも主演女優を務めカンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを受賞し出演作品が相次いで最高賞を受賞したことから『グランプリ女優』とよばれハリウッド映画にも出演、日本人初の国際的な映画女優となっていった。
テレビドラマでも活躍し『犬神家の一族』や『必殺仕事人』などに出演し映画、テレビ、舞台と日本を代表する名女優だった。
新しい年号令和となった今年、第72回カンヌ国際映画祭は5月14日に開催された。
そのコンペディション部門には日本作品の名前はない。